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清水御殿[ 名所・旧跡 ]

静岡県静岡市

八幡神社にある烈祖殿址碑
慶長12(1607)に家康公は、下清水村〔現、岡町〕に清水御殿を造営し、同14年(1609)竣工し、9月27日に訪れています〔駿清遺事〕。この建物は「御浜御殿・清水御殿・下清水御殿・烈祖殿」などの呼び名がありました。この御殿は徳川頼宣が、父家康公のために建てた別荘であり、烈祖殿〔御浜御殿とも〕呼ばれ親子で滞在したこともありました。
嘉永7年(1854)の碑文には、往時を偲ぶ文言が刻まれ、その碑は八幡神社境内に建っています。ここには「殿上の間、松の間、柳の間等」の見事な部屋があったといいます。また建物の彫刻が見事であり、また御殿の東側には蓮池があり、北側には毘沙門様を祀る毘沙門池がありました〔岡地区のあゆみ〕。その頃の岡町は、渚が近くまで押し寄せて、岡清水に打ち寄せる波はどこまでも白く、どこよりも美しかったため、家康公は江戸の白拍子を呼んで能に興じ貝島御殿〔三保貝島〕まで舟遊びを楽しんだといいます。
この他にも三保には、貝島御殿・富士見櫓もあって、いずれも家康公のために建てられたものです。これらの別荘地を回り、家康公は御座船に乗って折戸湾の遊覧を楽しみました。ところが慶長16年4月6日に付近よりの火災で浜御殿は焼失〔駿国雑誌〕。「駿国雑誌」によると、「神祖御機嫌斜ならずして、渡御あり」とあることから、殊のほか三保遊覧を楽しんだのでしょう。家康公が他界すると、その他の御殿も取り壊されました。岡町の浜御殿跡は、「字御殿地・字舞台・字蓮池」などとして地名が残されています。

案内情報

  • 名称
    清水御殿
  • 住所
    静岡県静岡市清水区岡町2-3 岡町八幡神社境内
  • 電話
    054-352-6664

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